2008年9月7日日曜日

Hampi Hampier Hampiest!!

世界遺産ハンピ。
デカン高原に位置するその街に行くことが
今回のインド旅行の動機と言っていい。


ゴアから夜行バスで内陸に向かい16時間。
雨づくしだった旅行に初めて太陽が現れた。


人間は不思議なもので、数日太陽を見ないと
同じ服を毎日着ているような落ちつかない感覚になる。


ハンピ到着後、日中はめいいっぱい遺跡巡りをして、
夕刻日没の時間を逆算して急ぎ足でマータンガ山を登る。
麓でカナダ人のスーザンが合流し、4人のパーティへ。
これも何かのご縁に違いない。


ハンピの夕方は静か。
風と鳥の音しか聞こえない。
山を登る人は他に誰もいなかった。



【急な岩道をひたすら登っていく】


落ちゆく太陽と、よじ登る人間の勝負。
人間が少しリードして、30分程で登頂成功。
頂上にある寺院の屋根に上がれば、
そこは文字通り360°の壮大なパノラマだった。



【マーダンガ山からみたハンピの景色】


残念ながら写真では、
この感動を全部伝えることは不可能である。


地平線まで続く岩の山々は、一体何なのだろうか。
神々が、その大きな手で大地の砂遊びをして
そのまま帰っていってしまった。
この表現が一番しっくりくる。


やがて日は沈み、
私は目を閉じて静かに瞑想をした。
山頂にはたったの4人、皆思い思いの時間を過ごしていた。


【静かで、神々しい日没】


瞑想の後、ふとこんなフレーズが頭をよぎった。

「If I have seen farther than others,
it is because I was standing on the shoulders of giants.」

イギリスの物理学者、アイザックニュートンの言葉だ。


私に生命があるのは、親も含め代々のご先祖が頑張ってくれたからである。
彼らが一人でも欠けていたら、私は存在できなかった。


今、私がインドのハンピから壮大な景色をみて感動していることは、
昔の先祖にはできなかった。


渡航技術がなかったり、鎖国してたり、金がなかったり
戦争していたり、情報がなかったり、などなど。


歴代のご先祖が生命のリレーをしてきてくれたからこそ
恵まれた時代にいる私たちはこんなに素晴らしい経験を
させてもらっている。


その有難さをかみ締め、
この夕陽は私の眼球のレンズを介して
みんなで一緒に共有しているのだと、
そう思い込んで眺めることにした。


今までの人生で一番素晴らしいサンセットだった。
またいつかここに戻って来たい。